カンボジアというと先ずはアンコールワットをイメージするかたが多いと思いますが、同時に訪れて欲しい場所としてはツールスレーン博物館およびキリングフィールドです。こちらではカンボジアだけでなく、人類としても特筆すべき悲劇の記録について学ぶことができます。
詳しくは割愛しますが、1970年代、ポルポト政権下にて何百万人(!!!)の方が殺されているとのことです。ヒトラーやスターリンと比べて同じアジアの日本人でさえその事実を意外としらない方も多いのではないでしょうか。かくいう私もその規模の大きさはしっかり把握しておらず、またカンボジアを訪れていなければ正確に知ることもなかったかもしれません。
プノンペンではホテルや観光地などでは必ずたくさんのバイクタクシーが待機しており、出かけようとすると声をかけられます。物価が安く、また公共の交通機関がまだ乏しかったこともあり移動はもっぱらバイクタクシーとなります。
カブのようなバイクの後部座席にしがみつき一路プノンペン郊外のツールスレーン博物館を目指します。カンボジアはプノンペンでも当時は道路状況が良くなく注意して乗る必要がありました。さらに田舎では4輪駆動の車でないとなかなか難しいと思われる道路が多かったです。
先ずはツールスレーン博物館です。こちらはもともと学校だったようですが、その中で拷問や虐殺が行われていました。建物内には虐殺の現場、めちゃめちゃ狭い独房などなどが当時そのままの雰囲気で残されています。博物館とはいってもほぼ装飾などはされずにシンプルに展示されていますので逆に実際の空気感を感じることができます。先入観からかもしれませんが、とにかく内部の空気がとても重く息苦しいのです。
一番印象的だったのは処刑者の写真が壁一面に張られた部屋です。処刑直前に撮られたというたくさんの絶望というか、あきらめというかの表情といやでも視線が合います。これが事実起ったこと、それも現代に起ったことは信じがたいことと思えますがそれだけ人間は残酷になりえるということをこの建物ははっきりと伝えています。これだけの行為は少人数ではできませんので。。。
その後近くにあるキリングフィールドにて慰霊塔を見学します。こちらは実は骸骨が中に埋葬されています。キリングフィールドの名前はもちろん英語の”Killing Field”、虐殺の場所です。後にホロコーストミュージアムなども訪れ、そちらのインパクトももちろん大きかったのですが、当時の雰囲気を伝える迫力としてはやはりこちらが強かったかと思います。
宿の近所の路地ではいつも夕方涼しくなってくると子供たちが元気に遊んでいます。昼間の経験からのこういった平和な日常との対比に遭遇すると自分の生まれ育った環境などについて新たな視点が持てるようになります。多くの皆さんに特に若い方に海外を訪れて欲しいと思うことの一つはこの点です。
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