何度も何度も大使館に通い(何度かは自分たちが悪いのですが)ついに、インドビザを手に入れました。すでにこの時点で、カンボジア、ベトナム、インド、マレーシアといろんな査証がパスポートに貼られています。もちろん今もこのパスポートは大切に持っているのですが、まるでお寺の御朱印のように、見返すと自分の足取りがわかり、またそれぞれの国でも思い出(苦労)が思い出され感慨深いです。またデザインにもお国柄がでていて、後にもらうパキスタンのビザが割とお気に入りでした。
バンコクでのだらだら生活も2週間ほどとなると、なんだかリズムができてきて街にも我が街感がでてきます。要は安心感に近いのですが、どこへ行くと何が手に入り、何が食べれて、何ができるのかがしっかりわかってくると気持ち的に落ち着きます、同時に緊張感も失われて来るのですが、バンコクはエリアごとに街の雰囲気が大きく違うので刺激が欲しければいろんなところに出かけて行けば良かったりします。
同行しているMさんのおすすめで、法医学博物館なるところに行くこととなりました。現在はシリラート医学博物館と呼ばれているようですが、名前の通り医学に関する展示、それも検体に使われた死体が展示されていることが大きな特徴です。あまりよくわからず訪れたのですが、内容はかなりショッキングでしたので気軽には訪れない方が良いかと思います。私はかなり気軽に訪れてしまったのですが、それでも貴重な経験であったと思います。
結びつけるのもおかしいのかもしれませんが、カンボジア、ベトナムでの負の歴史を少しかじった経験から、のほほんと生きていることは結構奇跡であると感じられるようにはなりました。ホルマリン漬けされた胎児とそれを見つめる自分との境界はどこにあったのか。日本での不平不満と、違う土地や、時代のそれとの間には大きな乖離があります。
カオサンでのだらだら生活を引き締める(笑)良い経験を得たのち、これも異国ならではの経験をします。なんと結婚式に招かれました。
といっても招待状が届いたわけではなく、博物館からの帰り道、道端にひとだかりがあり、何かと思ってみてみるとどうやら結婚式でした。興味深く見ていると声をかけられ食べ物をふるまわれました。国によってはそのように皆が祝うようなやりかたもあるようで、こちらも貴重な経験になりました。皆カジュアルな格好で、Tシャツ、短パンの自分たちでしたがそれほど浮く感じではありませんでした。
死と生、というほどの対比ではないのですが、仏教国であるタイですので、博物館の胎児たちも良い来世を送ってくれていれば、と結構真剣に思ってしまいます。
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