2025.7.16 旅と英語 80 最高の座席
- 濱田 実
- 7月16日
- 読了時間: 4分
バラナシは大変満喫しました。期間としては1週間に満たないのですが、それでも大変濃い日々となりました。またのどかなブッダガヤから喧騒のバラナシに来ると、観光客の気持ちが盛り上がり中々に精力的に動き回りました。
最後の夜もいつも通りゲストハウスのテラスでのんびりです。ガンジスを見下ろせるこの場所は今考えてもとても良いロケーションです。この世は天気も良く星空とガンジス川という夢のような環境の中くつろぎます。こちらは日本人宿ではないので欧米系の旅行者が多かったのですが、そんな中でアジア系の男性が朗々と歌を歌い始めました。確かではないのですが英語では無かったと思います。となると中国語あたりだったのでしょうか。おそらくお酒、もしくはドラッグにてハイになっていたのかと思います。上手いというよりは印象的な歌声が夜のガンジスに響きました。今でも忘れられない一場面です。
翌日早朝、きれいな朝日の中出発します。行先はずばりネパールです。Mさんと私はいろいろ行程を話あいましたが、一致するところとしてはネパールはここまできたら絶対外せないということでした。ネパールへのルートはいくつかあったのですが、おそらくは一番オーソドックスな国境のひとつであるスノウリの街をめざすこととなります。
先ずはバスが出るツーリストバンガローという宿に向かいます。そちらでパン、卵、チャイとなぞの揚げ物をいただきいざ出発です。時刻は朝の9時です。予定では夕方位にはつけるとのことです。よくよく考えると初のインド長距離バス移動となりました。いろいろ不安ではありましたが、いわゆる人気ルートなので、他にも外国人旅行者が多く、また魅力たっぷりなネパールを目指すという気持ちの高揚間もあります。また少し心配していたバスの座席でしたがこちらが運転手さんと逆側の列の一番前、要は乗降口すぐの席となりました。前に手すりなどもなく、スペースが確保できているのでとても楽です。幸先良いスタートとなりました。と思いました。。。
幸先の良さは出発して間もなく怪しい雲に包まれていきます。先ずは、アシスタントのおっちゃんです。インドの長距離バスでは運転手さんともう一人助手的なスタッフが乗り込んでおりその人の仕事は見ている限りでは、”さけぶ”ことでした(笑)。なんのことかと言いますと、インドは予想通り交通ルールがやや(?)ゆるいです。道路上には車はもちろん、バイク、リクシャー、歩行者、牛などなどごちゃごちゃです。そんななかでアシスタントが叫ぶことで安全を確保していきます。なんと言っているのかわからないのですが、ともかく近くにいるあらゆるものに対して、”どけどけ!””じゃまだ!””あぶないぞ!””どこ見てる!”(全て推測です)、と声をかけまくります。同時に、バスのボディをその時にたたきます。バンバンバン!とかなり強く。
どこまでこの行為が効果的なのかは全くわかりませんが、ともかくこのアシスタントは疲れも知らず、この行為を繰り返し続けます。悪いことにこのアクションが全て我々の座席の目の前で繰り広げられているということです(笑)。
ともあれ、数時間すぎ郊外に出ると交通量も減ったこともあり、また疲れた(笑)のか、アシスタントもトーンダウンしてきました。朝結構早起きだったこともありうとうとし始めると次の刺客が現れました。
小さな男の子、おそらく3歳位でしょうか、がバスの後部座席からとことこと、揺れるバスの中を歩いてきました。バスは走行中ですのでもちろん降りられるわけはないのですが、なぜか少年は我々の前の乗降口の段差へと降りていきます。Mさんともども何をしているのか?とだまって見つめていると、なんと、ズボンをおろし用を足し始めました。あっけにとられる我々以外、乗客も、アシスタントも何もつっこみません。
臭いは不思議とあまり感じなかったのですが、インドへの耐性がずいぶんついたと思われる我々もやはり大いに不快です。ひょっとしたらですが、アシスタントの怒声、トイレの代わりとなる乗降口の段差を考慮したときに一番避ける席をあてがわれたのかもしれません。。。※インドの名誉のために付け加えておきますが、その後この行為を目撃したことはこのバスでも、そのほかのバスでもありませんでしたが。
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